コラム

COLUMN

未来のロケットの輸送手法とは?

New Spaceの時代といえば、小型衛星がビジネスの主流と言っても過言ではない。

小型衛星は、大型衛星に比べれば、コンパクトで、軽量化、安価である。まだ課題は多いが、そのような理由から、多くのユーザーに衛星が手に入るところまで来ている。

このような背景から多種多様のユーザーが小型衛星を保有し、様々なビジネスを画策するのである。例えば、以下のようなニーズが挙がるだろう。

・〇〇のような機能を有する小型衛星作って欲しい。大量に作って欲しい

・一度の打ち上げに多数の衛星打ち上げ、大規模コンステレーションを形成したい

・好きな軌道に輸送して欲しい

・打ち上げ価格を安くして欲しい

これらを満たすために、ロケットはどのような進化を遂げなければならないだろうか。

現在までのロケットビジネスからヒントが見えてくる。

小型ロケット以外にも、大型ロケットでも所望の軌道に投入できるようなサービスを開始している企業も出てきた。

三井物産が出資、買収したSpaceflightは、良い例だろう。彼らはSherpaという輸送手段を活用して、複数の小型衛星を所望の軌道に投入している。

SpaceXのStarLink計画もそうだろう。Falcon9から分離される衛星60機もの小型衛星が分離されていくのだ。また、複数機の小型衛星を使って広告ビジネスを行おうとするロシアのStartRocketは、ロケットから衛星が分離されていく様子は、見ていて驚くべき技術が隠されていると感じる。

また、コスト削減の取り組みもロケットビジネスでは盛んだ!

SpaceXやBlue Originなどの第1段部分を打ち上げ後に垂直着陸手法で帰還させ再利用する方法、ULAのバルカンロケットの打ち上げ後パラシュートで落下中の第一段部分をUAVでキャッチし再利用する方法、Reaction Engineなどの再利用型輸送機の利用などが代表的なコスト削減策だろう。さらには、SpinLauchは、カタパルト方式の採用や全く新しい非公開の打ち上げ方式も開発しているという。もちろんロケットベンチャーから3Dプリンタによる製造というキーワードもよく耳にする。

他にも、OrbexのPrimeロケットは、衛星分離時に衝撃ゼロにする動き、ExolaunchのExopadという小型衛星の収納ボックスによる小型衛星の機械環境の保護機構付きの衛星打ち上げ方式など、従来にはみられない驚きの取り組みが見られる。

では、未来において、ロケットビジネスは、どのようになっていくのだろうか。

あくまで予想だが、大型ロケットでも所望軌道に小型衛星を運ぶことが可能となると、小型ロケットの存在意義は希薄になってくる可能性はあるかもしれない。 さらに、搭載される小型衛星に対して機械環境面でフリーなロケットが登場する可能性もある。つまりロケットのエンジンからの轟音、そして振動、衛星分離時の衝撃がゼロに近いほど低減されるものだ。もしこのようなロケットが開発されると、”剛”の設計をしてきたロバストな衛星である必要はなくなる。”柔”の要素を取り込むことができ、「衛星設計に革命が起きる」だろう。